スクリャービン:左手のための2つの小品
曲名 | 左手のための2つの小品 |
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作曲 | スクリャービン | |||||
CD | スクリャービン作品 | |||||
楽譜 | スクリャービンの楽譜 | |||||
クラシック・ピアノピース | ピアノピース | |||||
試聴(YOU TUBE) | 「スクリャービン: 左手のための2つの小品」はこちらで試聴できます。 | |||||
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私の思い入れ
舘野泉氏の神の左手
スクリャービンの曲を愛する私としては、すきな曲の一つですが、普通はこの曲はおろか、
スクリャービンの存在も、その他の作曲家に比べると知名度は低い。
自称スクリャービン普及活動委員の僕としては残念ですが・・・。
音楽紀行を始めた所期の頃、スクリャービンの練習曲op.2-1をご紹介しました。
ピアニストの舘野泉さんが病により、右半身不随となり、演奏家生命を絶たれた。
そして失意の中、左手だけで演奏を続ける決意をし、精力的に活動を続ける姿を目にしました。
そこで、「左手」だけの曲が多く存在することと、今でも、いろいろアレンジをして、左手
だけのスコアに手直しをした曲も多いことを知った。
TVの特集番組で実際に舘野泉氏が演奏していたのが、このスクリャービンの「左手のための2つの小品」。
栄光を勝ち取った氏が絶望の淵から這い上がった。味わった悲しみと、ピアノを弾くことができる喜びが伝わってきます。
館野氏の演奏でスクリャービンの知名度を上げて頂きたいです。頑張れ!舘野さん!
左手のための2つの小品
「左手のための2つの小品」は2曲から構成されています。
■ 前奏曲(プレリュード) 嬰ハ短調 op.9-1
■ 夜想曲(ノクターン) 変イ長調 op.9-2
今回、紹介したいのはプレリュードです。某番組で流れていた舘野泉氏の演奏もプレリュード。
この「左手のための2つの小品」誕生秘話は有名。
ラフマニノフが巨大な「手のひら」の持ち主だったことは有名ですが、スクリャービンはとても小さな
手だったようです。モスクワの音楽院で難曲の制覇数を競っているうちに右手を痛め、
作曲活動へと進みます。そしてこの時期に作曲されました。
スクリャービンはショパンの影響を強く受けていて、この曲はロマン派っぽい雰囲気が漂っています。
スクリャービンの前奏曲など、ショパンの前奏曲を想像させるような瑞々しさ。晩年は神秘的な雰囲気へと変わってきます。
ちなみに、モスクワの音楽院時代の同級生のラフマニノフはチャイコフスキーの影響を受けていて、有名なピアノ協奏曲第2番の影に
隠れているピアノ協奏曲第1番はチャイコフスキーそのもの。余談でした。
スクリャービンの曲は極めて難曲が多く、特に左手の奏法は想像を絶する難易度。12の練習曲Op8-12などは
難曲中の難曲。スクリャービンの曲の中で最も好きな曲の一つです。(試聴はこちら。激しい曲です。)
スクリャービン弾きと言えば
スクリャービンが演奏される機会は少ないですが、昨今、注目を浴びています。
「スクリャービン弾き」
として有名なのが、敬愛するホロヴィッツとソフロニツキー。
スクリャービンのピアノ曲はほぼ全曲揃えていますが、この「2大レジェンド」の演奏ははすごい。
いずれもスクリャービンと
由縁がある。ホロヴィッツはかつて、スクリャービンと会い、教えを乞うた。師弟関係まではいってなかったと思う。
これはホロヴィッツのドキュメンタリーDVDで語っていた。
一方、ソフロニツキーはスクリャービンの娘婿。
いずれも世界のヴィルトゥオーゾ。ホロヴィッツのアルバムは今でも発売されてますが、ソフロニツキーはあまり見かけない。
これは私が保有するアルバム。音源の質は悪いですが、その比類なきテクニックはホロヴィッツと比較することはできない。